英国名物、赤い電話ボックス

赤い電話ボックス

ロンドンの街の伝統的な風景に赤い二階建てのバス、赤い円筒形のポスト、赤い征服の衛兵、赤い電話ボックスなどを挙げることができる。こんなイメージする数多い風景の中で名物の赤い電話ボックスはロンドンの街並みに最も似合っていると思う。

1980年代の中頃、民営化されたブリティッシュテレコム(British Telecom、BT)は国営時代にデザインし、長い間ブリティッシュに親しまれてきたこの古くなった赤い電話ボックスを大量に取り外して、今風のガラスとアルミのフレームでできた電話ボックスを設置し始めたが撤去反対の運動が起きた。1990年代から観光地などではこの旧式の赤い電話ボックスが復活し始めていた。余談となるがこの赤い電話ボックスは英国のある著名な建築設計者がデザインした身内の墓石がベースになっているとか。

一方、英国でも携帯電話の普及が進んでおり、公衆電話の利用は3年前に比べて半分近くに落ち込んでいる。ボックスが壊されることも多く、修理と維持コストが嵩んでいる状況にある。このため英国の通信大手BTは約7万2000カ所ある電話ボックスのうち、1年以内に5分の1を削減することを決定し、旧式の電話が設置されている赤い電話ボックスが優先的に撤去することになった。ロンドン市内では、赤い電話ボックスを背景に記念撮影する観光客も多いが、数年以内に大半が姿を消すことになるいう。

このニュースを知り、英国のBBCが1963年から1989年まで26年間にわたり放送したSF番組で国際的に人気のあった「Dr. Who(ドクター フー、惑星「ガリフレー」からきたタイムロード)」を想い出してしまった。このシリーズの中でドクター フーが時空を移動する1960年代の古びた青い電話ボックス(TARDISと呼ばれるタイムマシン、外部より内部が広いが古く故障しがつ、あるサーキットが故障したのでこのタイムマシンが青い電話ボックスのまま)が有名である。ドクターを演じた役者は8人いるが巻き毛で長いマフラーを纏った第4代目のトム・ベーカーが一番良かったように思う。